2008年8月17日日曜日

1枚の紙を4回使う・・・

禅寺では、1枚の紙を4回使うという。

まずは真っ黒になるまで写経する。

次は、鼻を噛む。

そして、天日で乾かし大便所でお尻を拭く。

さらにその紙を捨てず、

最後は、竈や風呂の焚き付けに使って終わる。

この世に生まれたすべての物の命を、最後の最後まで全うさせる。

おそらくそこにおいては、あまた存在する、生物も植物も、

人工的な生成物も区別は無いはずである。

食材は余すことなく使われるし、人間の排泄物も畑の肥やしとする。

墓地埋葬法の整備される前は、ごく普通に亡骸を土葬して

大地に還していた。

世界的に類例が無いと言われる日本語『もったいない』という言葉。

この言葉は、日本独自の生活文化の結晶のように思えるのである。

『もったいない』のは、お金や時間ではなく、命なのである。。。

生命であり、物命(という言葉は無いかもしれないが)を、惜しむ。


我々の祖先が脈々と紡いできたこの生活様式の根源は、

自然崇拝の考え方に他ならない。自然こそが神である。

自然の前に無力な人間に対する、諦めの結果なのか、

もしくは、豊富な恵みへの感謝なのか・・・。

各地に残る氏神様も、山の神、海の神、太陽の神 ・・・

蛙やウナギが神の地もある。

先日、夏休み中に旅先で車を走らせていたときに目を惹いたのは

道路際に立てられた『なめくじ祭り』の大量ののぼりであった。

おそらく近隣には、“なめくじ”を崇拝した伝説もあるのだろう。


日々、身の回りにあるすべてのものの、命を余すことなく全うさせる。

自然、自らにおいても、その命を全うさせることとなるのである。


今日も一日、自らの命を全うさせられるのだろうか?

出だしは急に涼しげな朝である。

富士山の水で入れたコーヒーとケーキ屋のジャムを塗ったパンを

デッキテラスで食したが、今日はことさら美味しかった。

「始めよければ半ば成功!」という言葉を聞いたことがある。

今のところまずまずか・・・。

さて、女子マラソンを見るために部屋に入るか・・・。

土佐、中村が全力で走り切る姿を見よう。それもまた力になる。

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